最近、高齢者のアルコール依存症が急増中とのことです。
女性のアルコール依存症増加が話題に上っている一方で、この数年間で60歳以上の高齢者の割合も急激に高まっているようです。厚生労働省が平成19年度に発表した報告書によると、60歳以上のアルコール依存症の原因のトップは「退職後に自由に使える時間が増えた」という回答が7割を越し、不眠のためが4割近くという結果が出ており、特に男性にその傾向が強く現れます。
退職後、生活のサイクルも大幅に変わり自由な時間が増えたことで普段から好きなお酒を日中から嗜む様になり、気がつけば依存症になるというパターンです。酔い加減の大小にはアルコールを分解する肝臓の機能や大きさや体内の水分量が関係しています。加齢と共に肝臓の働きと体内の水分量が低下し、大量の飲酒はアルコール処理に時間がかかり、血中アルコール濃度が高くなりやすい体質に変わっていくのです。
高齢者のアルコール依存を見分けるには「高齢者特定の酔い方」に目を光らせましょう。「少量でも悪酔いをする」「よく転倒やケガをする」「失禁する」という主なパターンのほか、「家に閉じこもりがちになる」「身だしなみがだらしなくなる」「栄養失調」の傾向も見逃せません。
「高齢だから手遅れ」「お酒の楽しみを奪ってはいけない」という決め付けは禁物です。何故ならば、高齢者はアルコール依存症の治療効果が高いからです。アルコール依存症に対処する治療法は、「断酒」と「抗酒剤による薬物療法」や「個人または集団カウンセリングなどの心理社会的治療」が主な治療法です。
高齢者治療の傾向として、社会人としての年数が長い人ほど自己管理に長けており、断酒の必要性を実感すると治療への努力を続け、結果的に治療効果が高くなるという意外な結果を招いているのです。